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Yahoo!ニュース引用 5月21日(水)17時20分

スター・ウォーズごっこビデオがネット流出、共感と同情の寄付運動

 ティーンエージャーが、懸命にライトセーバーを振り回している自分の姿を密かにビデオに収めた。ところが気の毒なことに、このビデオがインターネット経由で世界中の人の目にさらされてしまった。恥ずかしい思いをしている少年のために、2人のウェブロガーが寄付を募っている。

 ウェブロガーの http://www.waxy.org/ アンディー・バイオ氏と http://www.jish.nu/ ジッシュ・ムカージ氏は16日(米国時間)、「スター・ウォーズ・キッド」と呼ばれている少年のために、寄付金を募りはじめた。この少年の写っているビデオは、数百万回もダウンロードされ、世界中で視聴された。

 ビデオには、太ったティーンエージャーが独りきりで、ほうきをライトセーバーに見立てて戦闘シーンを演じている様子が映し出されている。少年は2分間続くビデオ中ずっと、ほうきを一心不乱に振り回しながら、ライトセーバーの効果音を口まねしている。一般公開する意図のないことが明白なこのビデオは、おかしいと同時に痛々しい。

 自分たちのウェブログからこのビデオへのリンクを張ったバイオ氏とムカージ氏は、スター・ウォーズ・キッドがギランくんという15歳のフランス系カナダ人だと突きとめた。ギランくんが未成年のため、両氏は彼の身元を明かしていない。ギランくんからのコメントは得られなかった。

 2人のウェブロガーのもとには16日午後までに100件以上の寄付が集まり、総額は1000ドル近くになっている。ソフトウェアとTシャツの寄贈もあった。両氏は、ギランくんに米アップルコンピュータ社の『iPod』とその関連製品をいくつか買うつもりだ。

 「ギランくんは私たちをすごく楽しませてくれた。だから何かお返しをしないといけないと思ったんだ。共感したという理由の寄付もたくさんあった。彼の姿に、多少なりとも自分自身を見た気がした人が大勢いたんだ。誰でもみんな、同じようなことをした記憶がある。『サタデー・ナイト・フィーバー』の真似とかね。誰だって経験してきたことなんだよ」と、ムカージ氏は説明している。

 バイオ氏のウェブサイトによると、このビデオはギランくんが学校の視聴覚室でこっそり撮影したものだったが、たまたまこれを見つけた誰かがデジタル・ファイルに変換し、『カザー』(KaZaA)のファイル共有ネットワークにアップロードしたという。

 「ビデオはたった2週間で、世界中に広まってしまった」と、バイオ氏はウェブサイトで述べている。

 バイオ氏によると、4月末に米レーブン・ソフトウェア社のブライアン・デューブ氏が音楽、映像、効果音を付け加えて編集したバージョンを作ったという。

 「その1週間後には両方のバージョンが、ゲームやハイテク関連の主だったサイト、掲示板、オンライン・チャット・ルームからリンクされていた」

 カザーをはじめとする無数のウェブサイトから何回ダウンロードされたかを測定するのは不可能だが、バイオ氏は自身のサイトだけでも110万回ダウンロードされ、合計するとデータ容量は2.3テラバイトにのぼると主張している。

 「ビデオをサイトで公開したほとんどの人が、すぐに公開を中止しなければならなかった。サーバーが対応しきれなくなったからだ」とムカージ氏は述べている。

 サンフランシスコに在住する生物学者のムカージ氏によると、ギランくんは自分のビデオが世界中に流れたという事態を十分把握しているという。ムカージ氏は先週、ギランくんに電話でインタビューし、 http://www.jish.nu/2003_05_01_archive.php#200287473 会話の内容を自身のサイトで公開した。

 「ギランくんは自意識に悩まされる年ごろだ。ビデオの流出は辛かっただろう。寄付がギランくんを力づけることになればと思う」

 寄付を募りはじめた理由には、ギランくんを笑いものにしたことへの罪の意識と、オタクとしての共感が入り混じっている、とムカージ氏は語った。

 もう1人のウェブロガー、バイオ氏は、次のように述べている。「ギランくんが、こんな目に遭うのはひどすぎると思った。あのビデオは、不恰好で肥満体のコンピューター・オタクに恥をかかせようとしてアップロードされたものだ。だけど本当のところ、ギランくんは高校生になったころの私たちみんなとそれほど変わりはないんだ。私は自分のサイトに書き込まれた偽善的なコメントを見て憤りを感じた。……書き込んだオタク連中ときたら、自分たちの同類をめちゃくちゃにこき下ろしているんだ。……私はギランくんに、続編を撮ってもらいたいと思っている」

 バイオ氏のサイトにケビンという名で投稿した人物は、次のように書いている。「ビデオを見てみんなが笑ったのは、自分たちも高校生のころ、ちょうどギランくんのようだったからなんだよ。だけどみんな何とかうまく大人になったし、今じゃ自分のことを笑い飛ばせる。ギランくんに、このことをわかってもらいたいな」

 「ギランくんはビデオの件で落ち込む必要はない。誰だって、ああいうおバカな遊びをしたことがある。僕はウェブ時代に突入する前に15歳を過ぎていてよかったと思う。そうじゃなかったら、僕がしたおバカなことはきっとネットに流されていたはずだ」

 ケビン氏が指摘するように、愚かな振る舞いをした後でオンラインに投稿され、恥ずかしい思いをしている人たちが大勢いる。友人、親戚、同僚、そしてとくに多いのが、別れたボーイフレンドやガールフレンドからの投稿だ。

 元恋人のヌード、花婿の酔態、酔いつぶれた女子学生などの写真が、インターネットにはあふれている。

 米マスターカード社の「プライスレス」(値段の付けられない)を謳った広告は、よくパロディーの対象にされる。この広告は、クレジットカードで購入できるものを列挙しながら、それによって手に入る値段の付けられない人生体験を強調するというものだ。

 この広告のパロディーの大半は、不運な人たちの写真に広告コピーめいた言葉をつけたものだ。たとえば、半裸で酔いつぶれた人の写真に、こんなコピーがつく。「一晩の呑み代、50ドル。ポルノ雑誌、4ドル95セント。トイレットペーパー1ロール、50セント。マスターベーションをしたあとパンツを膝まで降ろしたまま泥酔して意識を失った君の写真がインターネットに出回ること、プライスレス」

 『レック・ユーモア・ファニー』(Rec.Humor.Funny)をはじめとするサイトでは、マスターカードのパロディー・コレクションの多くが、同社弁護士からの提訴もあり得るという警告を受けて、 http://www.netfunny.com/rhf/price.html 削除を余儀なくされた。それでも、『グーグル』でマスターカードのパロディー( http://www.google.com/search?hl=en&lr=&ie=UTF-8&oe=UTF-8&safe=off&q=mastercard+parody&btnG=Google+Search MasterCard Parody)を検索すると、作品例は山ほど見つかる。

 人気のウェブログ・コミュニティー『 http://memepool.com/ ミームプール』の編集を担当するジョシュア・シャクター氏は、次のように分析している。「痛々しいほど恥ずかしい振る舞いが、ウイルスのように寄生的なメディア全般で格好のネタになる。 http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3507.html マヒール・カグリ氏(日本語版記事)、 http://www.wired.com/news/business/0,1367,42763,00.html サイコな元彼女(日本語版記事)、マスターカードのパロディー広告などを思い浮かべてみてほしい。この手のコンテンツは、何でもアリという雰囲気が好きな人たちにとって、なくてはならないものだ。この種のネタはいくらでもある」

 こうした「何でもアリ」的なウェブサイトは個人が運営していて、いくらかウェブログと似たところもあるが、本当にどうでもいいようなことを見境なく取り上げる。たとえば、『スタイル・プロジェクト』『アーニーズ・ハウス・オブ・ウープアス』『 http://www.ilovebacon.com/home/index.shtml アイラブベーコン・コム』などだ。

 ドリュー・カーティス氏は、超人気サイト『 http://www.fark.com/ ファーク』を運営している。このサイトには何十というネタがリンクされているが、カーティス氏によると、同サイトの掲示板には恥ずかしい写真がコンスタントに投稿されていて、笑いのネタは尽きないという。

 カーティス氏は、『テリブル・ミスターG』というタイトルの新しいビデオが、人気急上昇中の最新「ミーム」[文化的情報の複製単位:文化「意」伝子]だと説明している。このビデオでは、撮影されていることに当人が気づいていないらしく、戦闘ゲーム『カウンターストライク』のようなコンピューター・ゲームをイライラしながらやっている様子が延々と流れる。

 音声トラックには、うめき声、卑猥な言葉、罵倒語などがテクノサウンドとともに入っている。

 「船員のように罵倒語を連発する男が出てくるんだけれど、これがすっごく笑えるんだ」とカーティス氏は語った。

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[5月21日17時20分更新]

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